塗装屋になったきっかけ…
私、小中高と大して勉強もせずによく遊び、まだ働きたくないってことで専門学校へ行かせてもらいました。
決して裕福な家庭ではないはずなのに、当時専門学校に行かせてくれた親には今でも感謝しています。
とは言うものの、専門学生の時はまたまたよく遊びました。結局、在学中には就職も決まらず、卒業してフラ
フラしている時に昔の仲間に会いました。
昔、一緒にバカをやった仲間は汚れた作業着を着て、泥だらけの手をして会社の先輩の飲み物を買ってる
途中でした。そんな仲間に「そろそろちゃんと仕事しろや」「塗装屋と漁師は休みが多いぞ」などと言われ
「そうだ!漁師だ!」と、思いましたが私はあまり魚を触るのが得意ではなく断念し、「塗装屋でいいや…」
なんて思いで始めたのがきっかけです。
どうせ塗装なんて、塗るだけの簡単な仕事だろうと思い初出勤…が、しかし全く違いました。コテコテの昔
ながらの職人の会社でしたので、朝は親方を始め先輩方のお茶だし…急須など使ったことのない私はお茶
の入れ方で叱られ、お茶だしが終われば玄関と道路の掃除をし、現場に行けば材料を作ったり、ケレンに
養生に掃除に、合間合間に叱られ、現場から帰ってきて刷毛洗いに掃除に、また叱られ… 休みだと思い
込んでいた雨の日は、内装の仕事(窓枠塗り、壁紙塗り)そんな毎日の繰り返しでした。
当時は20歳そこそこで、まだ若いと言うこともあり遊びも盛んで二日酔いで出勤したり、現場に行くふりをし
ては公園で寝てたり、今思えば当時の親方には相当な迷惑をかけたと思いますね。
一年が経ち、ようやく現場で刷毛やローラーを持たせてもらい、
二年が経ち、ようやく塗装のことが少ずつ分かりだしてきた時に親方から初めて現場を任されました。
その時のことは、今でも忘れません!!
お年寄りの二人暮らしの小さな車庫でした。下手くそながらにも時間をかけ、丁寧に仕上げ最後にお客様
がお茶をだしてくれて話している時に「きれいになった」「明日から小柳さんが来ないかと思うと寂しいね…」
など、大変ありがたいお言葉を頂きました。
後日親方から「○○さん小柳といっぷくの時に話をするのが楽しみで喜んでいたし、仕上がりも良かった。」
と言われました。親方から「塗装職人は塗ってきれいにするのは当たり前!さらにお客様に喜ばれ感動して
もらったら一人前」と言われたのを覚えています。
それからは、その思いを胸に10年間修行を行い、2010年4月に独り立ちをし、西蒲塗装を始めました。
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